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2000黒部レポート NO-4


昼食を済ませ、午後の釣りをスタート。午後になっても快晴、真夏の太陽が容赦なく照りつける。標高が高いため紫外線が強く、半そでの腕は日焼け止めも塗っていないため既に真っ赤である。10分おきに腕を水につけて冷やさないとジリジリしてたまらなかった。昼食前イワナの活性はかなり上がっていたので、午後は楽勝と踏んでいたのだが、そうは問屋が卸さなかった。なかなか爆釣とはならず、苦戦を強いられる。

3人が右岸左岸に分かれ釣り登るが、たまにポツポツ出る程度。そのうち朝下ってくるときに高台からイワナが群れていたポイントに到着。イワナの動きを大岩の上から観察していると、遅れて魚留さんと釣吉さんがやってきた。「このポイントは釣吉さんに釣ってもらいましょう。」という魚留さんの言葉で、1番バッターは釣吉さんに決定。イワナはその黒い魚体を時々水面まで現し、何かを食べている様子。ざっとみても4〜5匹はいそうな気がする。中には流芯からそれ、左前方の深みを回遊しているものもいる。釣吉さんは正面の流芯下流のポイントにフライをキャストするが、残念ながらイワナはなかなか反応してくれなかった。いよいよ私の番が回ってきた。「楽勝」と思ったものの、高台から指示を出す2人に惑わされたのか、2回ほどフッキングミスをしてしまい、その後イワナは反応してくれなくなった。「こんなはずじゃなかったのに。」と未練たらたら魚留さんにバトンタッチ。

魚留さんは1度フッキングミスをしてギャラリーを楽しませてくれたが、その後は気まぐれなイワナを2匹きっちり釣り上げた。おみごとである。魚留さんの使用しているロッドは、アーティストの7‘3“#3。アクションはファースト気味である。私も最初はファーストアクションのロッドから入門したのだが、ファースト気味のロッドは概して硬く、平均して20cmのヤマメを掛けてもあまり面白くはない。私はキャスティングよりも釣り味を重視した結果、スローなアクション(といってもバットはしっかりしていないと困る。)が好きになってしまったのだと思う。余談となるが、先日、一応黒部用に最初に購入したダイワ・グレンモア、ヤブサワスペシャル6’9”#2〜3(結局お留守番となりました。)は、かなりスローである。もちろんバット部分はしっかりしているので魚に伸されることはなく泣き尺ヤマメも取り込むことができたが、魚留さんに「いいロッドでしょう?」と振ってもらったら、「これはちょっと…。」と渋い顔であった。なお、今回の遠征で使用しているノースランド・モスキート7‘6“#3については、「思ったより、全然いい。いいロッドだ。」と、後日お褒めの言葉を頂戴した。

この後川幅は更に広くなり、3人が右岸、真中、左岸に分かれて釣り登ることにした。私は左岸、釣吉さんが真ん中、魚留さんが右岸だ。渓は浅く全般的に膝下程度。水は非常に透き通っている。時々喉の乾きを潤しながら無数に広がるポイントへフライをキャストしていった。ここで私が使用したフライは、テールがゴールデンフェザントティペットのハンピーパラシュート。アブドメンにはピーコックハールを巻き、テレストリアルを意識したフライである。たまたまこのフライがマッチしたのか、そこから5連続ヒットとなった。いかにもと言った流芯の脇や、たるみ、何の変哲も無い流れから次々にイワナが飛び出した。特に印象的だったのは、流芯脇のヨレから電光石火のごとくまるでヤマメのように飛び出したイワナがいたことであった。イワナの場合、基本的には遅合わせでいいようだが、この時ばかりはヤマメの時のように反射的に合わせが決まった。

釣吉さんもオレンジフライで健闘しており、度々その威力を見せ付けられた。気が付くと薬師沢小屋が見えるところまで釣り登っていた。今日は1畳2名でお願いしますと予告されていたので小屋の様子が気にかかる。小屋に近づくにつれ、異様な風景が飛び込んできた。山小屋下の薬師沢との出会いにある川原には30名程の登山客がおり、小屋前のテーブルの周りも大混雑している。受付からは長蛇の列が出来ていた。山小屋は非難小屋的な意味も持っているので、定員オーバーだからといって客を拒むわけにはいかない。1畳2名が現実のものとなった。食堂は1回あたり30名ほどの利用ができるが、この日ばかりはその食堂が4回転した。つまり最低でも120名、定員のざっと2倍以上の人間が狭い小屋に犇いていたのである。

今夜の寝床は、昨日とは反対に位置する大部屋の一番奥の右手2階の2畳部分。愛知県からやってきた30代前半の登山者と一緒になった。色々と話が弾み、同じ穴の狢(愛知県庁マン)であることがわかり、意気投合したが、7時30分過ぎまで騒いでいたら向かいのおばさんに「静かにして!」と怒られてしまった。他の宿泊者の殆どが休んでいるため、我々もすごすごと眠ることにした。今日も釣吉さんから誘睡剤をいただき、念のためライオンや熊に起こされないよう科学の「耳栓」をして寝床についた。しかしこの日は何故か薬の効果が薄く、なかなか眠りにつくことができない。おまけに釣吉さんの足下蹴りに何度となく襲われる羽目となった。

つづく



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