2005/4/30  隠し渓


  20年程前、九州各地の釣り人らと放流活動をしていた。その中心人物がいたが、彼は退職後の生活で悠々自適。だれからも好かれる好々爺であったが、不幸なことに、とある渓で事故死した。彼の遺稿集「釣行記」の中で「隠し渓」の存在を知ったのだが、それがどこか全く判らなかった。
 彼の思い出も失いかけた数年前に、とある人からある渓存在を聞き、それが彼の「隠し渓」であることは間違いないと確信していたのだが足が遠のいていた。
 今日は何故かその渓に行く気になってしまった。彼の遺骨を埋葬した場所も今や面影が全くない。入渓してロッドを振るとまだサビが残ったエノハが適度に釣れる。彼も四半世紀以上前にこの渓を登ったのだろう。私もその年齢に少しずつ近づいてくる。いつまでこんな渓が登れるのだろうか?
 あるポイントで大型が回遊していた。ミッジを補食しているようなので#22を投げるとゆっくりと大きな口を水面に開け喰わえた。が、テンションがかかってすぐにすっぽ抜けた。何故か源流のエノハではこんなことがよくある。釣れなくても、彼の隠し谷を歩けたことで満足でき納竿とした。ところで、地図を持参していなかったので、適当に尾根目指して登るが150m登って尾根に出ると、反対側の尾根の斜面に立派な道が見えるではないか。また、渓まで下降し再度150mを登り返すが、体力がなくなっている自分に愕然とする。昔はこんなの平気だったのに・・。複雑な心境だ。
 夕方は十数年振りの里川の渓に行きまずまずのエノハを釣って帰路についた。
隠し渓のエノハ
尾鰭がすり切れ全く回復していない
えごの木の花
ミツバツツジが咲いているこの場所には悲しい過去が
別の渓でまずまずのサイズ
意外と渋かったこいつ
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